イスラエル

男子の羽生結弦選手に続き女子もフィギュアスケートのメダルが期待される中、浅田真央選手は本番で実力を発揮できず、順位を落としているそう。今日の深夜にもフリーの演技が終わり総合点でメダルが決まるそうだから、期待しましょう。

冬季オリンピックは日本人とは少し縁の遠い種目が多い。フィギュアスケートも今でこそ取り沙汰されているけどポピュラーな競技か、と言われればそうではなく、スケートリンクは車を出さなきゃいけないような場所にあったりする。ボブスレーをやったことがある日本人は一体存在するのかさえ疑問であるし、リュージュとかいう種目も初めて耳にした。

 

女子アイスホッケーの選手で床選手という同年代の選手がいる。彼女は若いながら、日本の守りの要として試合に大きく貢献していた。くしくも結果は8位に終わってしまったが、オリンピック出場の功績はきっと大きい。その床選手、首もとに大きな傷痕を作っている。彼女はバセドー病という病に罹っていたらしく、その傷痕は手術の痕であるそう。女性として、目に触れるところに大きな傷痕を作る、ということはとても悲しいことだろうが、彼女はいち早く完治する手術を選び、選手生命をまさに首の皮一枚といったように繋いだ。

彼女の気持ちはわからないから、その傷痕に関してどう思っているのかはわからないけど、少なくとも若い間は消えない傷痕を見ていくことにマイナスな思いはあるだろう。それはつまり、普通の状態ではない、ということ。普通ではない状態で過ごしていくこと、それは辛いし、常にストレスが付きまとって生活をしていかなければならない。病気にならなければ、選手としてブランクがなくもっと成長できたかもしれないし、当然痕もない。

そういったなにかしらの"痕"を持って生きている人は多分少なくない。「なんでこんな思いをしなければいけないのか」「明日にはすべて治まっていないか」「5年前に戻りたい」この先一生抱えていかなければならないようなことなんて、考えてもやりきれないし、かといって考えないこともできない。他人の見ては、いいなぁ、と思うがその他人も他人で同じように思っているだろう。

イスラエルと比べたらきっとちっぽけだろうが、そういった痕にきっと大小はなく、1つの痕が1つ分カプセルになって脳汁当たりに浮かんでいて、その1つがさらに2つ3つとカプセルを増やし、分子になるようにカテゴライズされてそれが大きいと感じるのだと思う。僕も多分4分子分くらいは傷痕を浮かべているがイスラエルと比べたらやっぱり小さい、というより贅沢なものかもしれない。

それは日本に生まれてきたから仕方ないけど、でも傷痕は背負って、また作りながら進んでいかなければならないし、どうしてもだめになったらイスラエルにでも行けばいい。現地人の悩みを理解して自分がいかに贅沢でばかばかしいか感じることが少しできるかもしれない。ただそれはまたすぐに忘れてしまうだろうから死海でもみて帰ってくればいい。


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